「南アフリカのワイン」と聞いて思い浮かべるのはどんなワインでしょうか？


とにかく、ガツンとした果実味だけがたっぷりのワインを連想する方が大半なのではないでしょうか。今回ご紹介するワインは、そんな果実味がたっぷりなだけでなく、酸味もしっかりある、とにかく骨太でパワフルな1本なんです！


このワインが造られたのは、南アフリカ第2の都市ケープタウンから、車で45分ほど内陸に入ったところに位置するウェリントン。隣接する南アフリカの銘醸地パールから、2011年に独立した地域。近年ワイン産地として急成長しているこの地域、新しいワイン産地なのかと思いきや、ぶどうの苗木生産地としての歴史は古く、南アフリカのぶどう苗木の85％はウェリントン産のものです。


また、ぶどう産地としてもユニークな地域なんです。日中の寒暖差もあり、時に雪が積もることもあるヘイウークワ山脈の麓に広がるぶどう畑は、「メソ気候」と呼ばれる狭い地域の中でも異なる気候条件を持ち、同じ地域でありながら、畑ごとに条件の異なるユニークなぶどうが栽培されています。


もともと、ぶどうの生育地としてのポテンシャルもあり、ユニークなメソ気候を持つこの地域には、現在30余りのワイナリーがあり、高品質のものが産出されるようになり、ワイン産地としての名声も高まってきています。


今注目のこの地域に、ワイナリーを求めたのがレイサー夫妻。中国を中心にワイン貿易に関する仕事をしていた夫妻は、どうしても自身でワイン造りをしてみたいという気持ちが高まり、縁のあった南アフリカでワイナリーを探していたところ、巡り合ったのが、薄紫色の美しい花の咲くジャカランダの木がある小さなワインコテージ。80年以上の歴史を持つこの施設を、2009年に取得し、ワインの生産を始めました。


今回ご紹介するワインは、シラーズ（S)、ムールヴェードル（M)、ヴィオニエ（V)の3品種を使った、南仏風ブレンドのもの。


ブルーベリーやアメリカンチェリーなどのジャムを思わせる果実の香りと、黒糖やカラメル、ナッツ、シナモンなどのスパイスの香り。その味わいは、凝縮した果実味と強いアルコールのボリュームで、しっかりした酸と強く口中を掴まれるようなタンニンがあります。余韻も長く、骨太でしっかりとした骨格を持つ、飲みごたえ抜群なワインなんです！


南アフリカの注目地域で、ワインへの熱い情熱を持った夫妻が造る、アフリカの大地をも感じるパワフルな赤ワイン。

この機会にぜひお試しください！