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シャトー・キルヴァン
Chateau Kirwan
シャトー・キルヴァンは、ボルドー地方・マルゴー地区に位置し、メドック格付け3級にランクされるシャトーです。1990年代後半から劇的に品質向上を果たしたことで、世界から再び注目されるようになりました。シャトー・キルヴァンの歴史
シャトー・キルヴァンは、1147年にまでさかのぼるほど歴史がある生産者です。ファーストワインの他、セカンドワインの「シャルム・ド・キルヴァン」があります。総面積は35haで、平均樹齢は32年です。有名なシャトーは歴史と共に面積を広げるケースが多いですが、キルヴァンは当時の面積のまま維持し続けているシャトーです。
「キルヴァン」という名前は、1710年に所有したマーク・キルヴァンに由来しています。ワイン愛好家でもあった、かのトマス・ジェファーソンは、シャトー・キルヴァンを好んでいたそうで、自身の旅行記にも記しています。ワインの品質の高さには昔から定評がありました。
メドック第3級格付けも、一時はシャトーをボルドー市への寄贈したことで品質低下
1855年のメドック格付けでは3級に認定され、3級の中でトップクラスとの評価も得ました。しかし、一時期はシャトーそのものがボルドー市に寄贈されていた期間があり、その間の品質低下により、「5級レベルにまで落ちた」と厳しい評価を受けていたこともありました。
低迷時期から抜け出すきっかけとなったのが、著名なネゴシアンであるシュレデール・エ・シレール社です。1925年からシャトー・キルヴァンを購入し、設備投資を積極的に行ったことから、キルヴァンは再び徐々に評価を上げ始めます。
醸造コンサルタント、ミシェル・ロラン氏の加入により、第3級にふさわしい品質に
シャトーの再評価で決定的となったのは、1993年にミッシェル・ロランを醸造コンサルタントに迎えたことです。ワインの品質がドラスティックに向上し、ライトで平板な印象から濃厚で力強い印象へ、一気にイメージチェンジに成功しました。現在、ボルドーワインといえば骨格のしっかりした濃厚な味わいと華やかな香りがスタンダードであり、シャトー・キルヴァンは、その期待に応えられるレベルになったと言えます。
シャトー・キルヴァンの再生において大きな力となったミッシェル・ロランは、ワイン醸造コンサルタントとして、他にも数々の輝かしい功績を誇ります。その功績のすばらしさから、「ワイン・アドヴォケイト」のパーカーポイントを上げるために呼ばれるコンサルタントと呼ばれたこともあるほどです。
今ではマルゴー3級の名に恥じないグラン・ヴァンと呼ばれ、風味豊かなワインを毎年生産し続けています。日本ではあまり数多く輸入されないため、他の3級シャトーであるカロン・セギュールなどに比べて知名度は今一つといったところですが、ワインとしての実力はひけを取りません。
シャトー・キルヴァンのワイン造りの特徴
ボルドーのワイン造りといえば、複数のブドウを混ぜるのが伝統的なスタイルです。キルヴァンも同様ですが、その配合割合は時代とともに微妙な変化を見せています。以前40%前後配合されていたメルロは近年では30%程度です。逆に、従来40%未満であったカベルネ・ソーヴィニョンは、近年40〜50%ほどです。カベルネ・ソーヴィニョンの配合をやや多くしたことにより、ワインの力強さ・濃縮感が強まったと言えます。
選果されたブドウは、巨大なタンクの上から落として、ブドウの重力によって潰す方法を採用。従来の破砕(foulage)は行わず、ブドウの実を傷つけたりストレスを与えたりすることを避けています。
またシャトー・キルヴァンは、醸造所の改修や新設備の導入にも力を入れています。2015年に新たに改修した醸造所では、従来のステンレスタンクに替えてすべてセメントタンクを採用。タンクで熟成している最中も、外部から酸素を注入することが容易になり、ワインをじっくり熟成させることができます。
キルヴァンのファーストワインは新樽を50%使用して18か月樽熟成を行います。セカンドワインは20%新樽で12か月の熟成です。タンニンにきめ細かさを与えるという理由で、一部オーストリア産の木樽を導入しています。
シャトー・キルヴァンの評価
以前のシャトー・キルヴァンは、酸味の強さ・全体としての味の薄さが指摘されることの多いワインでした。深み・広がりに欠けるという辛辣な評価を受けることもありましたが、前述したように近年では品質が格段に向上しました。特にミッシェル・ロランが関わるようになった1996年ヴィンテージ以降の品質には目を見張るものがあるとされ、それ以前のキルヴァンとはまったくの別物とする評論家もいるほどです。
ボルドーワインらしく、濃厚・凝縮感に優れ、タンニンは程よく滑らかに仕上がっています。ブラックベリー・スミレ・プラムなどの果実・花の濃い香りに加え、樽熟成によるバニラ・バターなどの香りが感じられることも。パワフルでありながら、洗練されたニュアンスも持ち合わせているため、絶妙なバランスが取れているワインです。
ずっと昔にキルヴァンを飲んだけれど、酸っぱくて物足りなかったという方は、ぜひ近年のヴィンテージを飲んでみることをおすすめします。