シャトーオーブリオンは、ボルドー地方のグラーヴ地区に位置するシャトー。 1855年のパリ万国博覧会の際に定められた、あの有名なワインの格付けにおいて、フランス5大シャトーの中で唯一、グラーヴ地区から選ばれた歴史を持ちます。 実は、シャトーオーブリオンは17世紀にはすでに名声が確立しており、メドック以外から唯一例外的に選ばれました。

その例外には裏付けがあり、ナポレオン戦争で敗れたフランスの外相が、フランスの処遇を決める「ウィーン会議」において各国首脳にシャトーオーブリオンを振る舞ったことでフランスの敗戦国としての危機を救ったと言われ、歴史的にも重要な役を担ってきたのです。

このように450年以上の非常に歴史のあるシャトーである一方、近年ではボルドーで最初に発酵槽にステンレスタンクを用いるなど、技術革新にも力を入れ、常に最上級のワインを生み出し続けています。

味わいとしては、5大シャトーの中で最もエレガントと評され、 ブレンド比率が、メルローがカベルネソーヴィニョンを上回る独特さゆえに、 渋みが少なく、柔らかい、香りのバランスの取れたワインです。 また時間をかけて寝かせることで、さらに重みとともに滑らかな舌触りも増し、20年以上のに熟成にも耐える上質なワインになります。

2015年は、ワインアドヴォケイト誌でパーカー氏が100点満点をつけた当たり年。グレートヴィンテージと言われた2010年以来最高と評される偉大なヴィンテージとなっています。また、「パリスの審判」で有名なスティーブン・スパリュア氏が「ボルドーの復活を見た」と評したヴィンテージでもあります。